平成27年4月29日(昭和の日)
八幡市立松花堂庭園内別館会議室にて「にじみ絵教員養成講座三周年記念パーティ」が催されました。パーティ後半・ワールドカフェ(意見交換会)の様子をお伝えいたします。
パーティの後半は、にじみ絵教員養成講座研究会でも過去二回実施されたことのある「ワールドカフェ」で意見交換がなされました。最初に田中先生がワールドカフェのルールを説明されましたが、そこにも示唆に富むメッセージがあったように思います。
4名ずつの2グループに分かれて、話をする人はトーキングオブジェ(この日は羊毛ボール)を持って発言し、聞く人は心に響いた言葉を自由に紙に書いていきます。
1回目のテーマはこちら。
”にじみ絵教員養成講座を受講して、
自分にとって良かったことは何か。”
”それをどのような人たちに伝えていきたいか。”
(様々な意見の中から、一部をご紹介します。)
*にじみ絵教員養成講座で良かったこと:
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人との出会い。
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純粋な心に気づいた。
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そのままの自分や他者を受容することができるようになった。
*どのような人たちに伝えたいか:
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刺激が強くドギツイ色に日常的に晒されているIT環境の現代こそ、子どもたちや忙しい大人に必要である。
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親や教育者は勿論のこと、社会的影響力の強いマスコミや製造業、政治家にも伝わると尚良い。
グループメンバーの入れ替えを行い、次のテーマへと進みます。
2回目のテーマは ”1回目のテーマで話し合ったことを伝えるためのメッセージとは?” です。
* 伝わるメッセージとは?
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言葉で物事をイメージする力が乏しい子どもたちが増えている。
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映像やビジュアルイメージでメッセージを伝えることが当たり前になっている現代の流れにおいて、言葉だけで伝えるのは難しいのではないか
(これには同様の印象を持っている人が多く、両グループで話題になりました)
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自然の中で色を体験する機会が少ないので、色をあじわう大切さが理解できず、体感もできないのではないか、という考察もありました。
* 「ではどうしたらよいか?」という問いには、
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ストーリー性のあるにじみ絵の絵本やにじみ絵のアニメが効果的なのでは?
- 昨今の傾向として、体験参加型のライブイベントがよく開催されており、興味を持つ若者が集まっているので、そこに着目するとよいのでは。
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キャンプなどの自然体験を通して、長い目で子供の心を育て、
(自然や色、にじみ絵に)関心を持ってもらう方法もある。
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相手によって伝わり方が違う。
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にじみ絵関係者ではない第三者が、(にじみ絵の価値等を)意味づけすることが重要だ
などの視点があったようです。
思い思いのアイデアや考察が交錯して、とりとめのないワールドに迷い込む場面もありましたが、そこを敢えてまとめず結論を出さないところが、このカフェが盛り上がる理由かもしれません。
あっという間に時間が過ぎ、最後にこの日心に残った言葉を、各自好きな色の紙に記してテーブルの上に広げました。
「にじみ絵の体験を通して伝えられること。その結果の1つのイメージを描きやすい言葉で」
「体験が経験となって、生きることに繋がる機会を作る」
「体験、キャッチコピー(言葉)、外からの意味づけ」
「引き算が深い」
「にじみ絵は、生・長し続けるために必要な大切なひと時です」
「伝えることの難しさ」
「伝わる・伝える、体験―時間―自分、心から求めている人には、その人のタイミング(時期)で、自然と伝わるのでは…?」
「対話。自分の言いたいことの前に、人の思いをしっかり聞き取ることの、その思いに熱くなる自分を、冷静にさせる場になりました。もっと時間があれば…と思いました」
最後に、田中あづ紀先生の挨拶で三周年記念パーティの幕が閉じられました。
それは、先生が小さい頃に時々見ていた大好きな夢のお話でした。
夢の中で、お菓子屋さんのガラスのお菓子ケースの中にある金平糖が虹色に輝き出し、シュワシュワとシャンパンがはじけるように光っているというのです。ある時期からその夢は見なくなってしまったそうですが、今回のパーティの準備をされている時に、ふとその夢が蘇ったそうです。その瞬間先生は思い至りました。
”この虹色のひとつひとつの色が、にじみ絵を学んだ方々
一人一人の個性なのかもしれない。それがあの夢のように光輝くために、私はこのこと(にじみ絵教員養成)をしているのではなかろうか ー”
それを聞いていた参加者はその時ちょうど7人。
一瞬きらりと光を放ったように見えたのは、決してガラス越しの午後の陽光のせいではないと信じています。
にじみ絵教員養成講座三周年記念パーティは、お祝いムードに留まらず有意義で楽しい意見交換もなされ、にじみ絵の未来に繋がる貴重なひとときでした。
田中先生をはじめ、同講座および研究会関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
にじみ絵教員養成講座研究会 一同
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