2017年8月27日(日)にじみ絵教員養成講座 研究会5周年記念パーティ♪

にじみ絵教員養成講座ベーシックコースの10回目を終え、

研究会を発足してから早5年目となりました。

素敵な方々との出会いに恵まれ、色彩の広くて深い世界に支えられて、

ここまで続けることができました。

 

その感謝を胸に、京都宇治・愛児園にて5周年記念パーティーを行いました。

   お祝いの花

* ワーク「色の壁をつくろう!」

参加者がベーシックコースで描いたにじみ絵を持ち寄り、同じ色ごとに並べて、向きを変えたり、

場所を置きかえたりして、全体としてうまく響き合ったところで壁に貼っていきました。

ずいぶん試行錯誤をした色、すぐにまとまった色、様々でしたが、

どの色も  “これ、いい!” とみんなが思う瞬間があり、共感できる色の壁ができました。

 

 赤 ― やっぱり力強いパワーを感じる。

 オレンジ ― 本質はあたたかいエネルギー。

 黄 ― 明るくて、軽くて、お行儀よく並んでいるより、動きがある方が自然。

 緑 ― 風景がマッチするね。光の流れがつながりに。

 青 ― 軽い青も、重い青もどちらもいい。周りとつながる青が中心に。

 紫 ― ずしんと重い。赤と青がなかなかうまく混ざり合っていないなぁ。

 

おもしろかったのは、中心にくる絵によって全体の印象がまったく違ったこと。

人事の場合もそうなのかなぁーと思いを馳せました。

 

この色の壁を使って、もっともっと遊べると思いましたが、それはまた次のお楽しみ!

*「私の実践をふりかえって」 美術教員 田村秋恵

田村先生は、いつもバイタリティーあふれる行動力と明るい笑顔で研究会を支えて下さっています。公立中学の教員になられて30年余り、その美術の時間の実践をパソコンで写真を見せながら語って下さいました。

 

授業で工夫していることは・・・

*何が目的で作業をしているのかわからない子がいるので、

今日の目標がはっきりわかるように、授業の初めに書いておく。

*不器用さはどこからくるのか、指先だけではなく目の動きも見て、生徒の理解力、空間認知の力を観察し、アドバイスする。

*何かよくわからない図でも補助線を1本引くことで、モチーフが見えるようになるので、

わかるようになるための工夫、学び方の工夫も伝える。

*気持ちの言語化が苦手な子が多いので、「今どんなこと思ってる?こんな感じ?あんな感じ?」と聞いてあげる。

*自分のことだけでなく、周りのみんなの考え方、感じ方を語り合い、交流する時間を組み入れる。

*困っていたら「Help!」を出せるように。

*絵の具を忘れたら、じっとしていないで、

「すみません、絵の具を忘れました。貸してください。」と頼みに来る練習。

*ぼんやりしている子には「どうしたん?」と聞いてあげる。

*形を描くことが難しい子に型を用意してあげて、ずっとそばについていなくても作業が進められるようにする。

*勘違い、思い込みをほっておくのではなく、「どう思ってるの?」と聞いて、

 「ふぅーん、そういう考え方もあるねぇ、でもこういう考え方もあるよ。」と視野を広げていって

 あげる。 

“失敗も成功に導く” ことを心がけているとおっしゃる田村先生は、

「美術の時間が自分と向き合い、まわりの友達とつながりが持てるひと時、卒業後の自分を見つけられる、そんな時間になればいいと思っています。」

と授業への抱負を語られました。

 

また、不登校の生徒のための教室に5年間勤務されていた経験もお持ちで、不登校の生徒が増えている

昨今、それについての熱心な質問も多かったです。

 

美術を通して、一人ひとりの成長に寄り添ってこられた暖かい眼差しが、

大阪弁の語り口調とともに、心にひびいてくるお話でした。   (文責:田中あづ紀)

 

* 参加者の感想

日曜日の研究会、とてもいい体験でした。

まず、「色の壁をつくろう」は、人の個性と色の個性がまざりあって面白い作業でした。オレンジであんなに悩むとは・・・。

色のトーンの影響って大きいんですね。

 

ふだん何気なく過ごしていますが、色を意識して生活していこうと思いました。色の壁のワークは発見がたくさんあるので、ワークショップでやってみたいです。

とても参考になりました。

 

それから、「田村先生のお話」は先生の誠実さが伝わってくるお話でした。

美術の時間って、1時間しかないんですね。短い時間で、その気にさせて作品をつくって完結させるって、技能系の授業ではなかなかハードなことだと思います。

 

その中で色々と工夫し続けておられ、先生の授業に対する気持ちを感じました。

私もビジョントレーニングの大切さを伝えたいと思っています。

「見える」=「理解力」ですね!

視力と身体のクセからの思考、感情の深いつながりをもっと勉強したいです。

 

…と、これだけ書いておいて何ですが、一番楽しかったのは、5周年のハッピーバースデーを歌ったときだったりします。

参加者みんなの声がひとつになって、すごく心地よかったです。

次回の研究会も楽しみにしています! 

  (にしむらけい)